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子どもの「挨拶」を習慣化する!教師と親が実践すべきポイント

挨拶はコミュニケーションの入り口であり、相手を尊重する気持ちを伝える重要な行為です。「おはようございます」「ありがとう」「ごめんなさい」などの言葉を交わすことで、子どもたちは社会性を育み、人との良好な関係を築くことができます。

挨拶は本気になれば身につけることができる

単に「最近の子どもはあいさつができない」と嘆いたり、恒例の挨拶運動だからとか、いい加減な気持ちでは子どもたちに身につくことはありません。

当記事では、長年小学校教師として生徒指導主事として経験してきたことを土台に、いくつかの提案をさせていただきますので参考になればと思います。

初めに思い出すのは、私が仕えたある小学校の校長先生の行動です。校長が挨拶の大切さを朝礼などで説くことは、珍しいことではありません。しかし、その校長は違っていました。年間を通して同じことを言い続けたのです。その結果、年度末には校内は見違えるようになっていました。

教師が率先して手本を見せる

例の校長(以下A校長)の行動でも分かりますように、子どもに挨拶の習慣を身に着けさせる最善の策は大人の率先垂範です。ところが、ほとんどの学校では掛け声だけが空転しているので身につかないのです。その辺のところは子どもは本能で見抜いていますから、大人がやらないことは自分たちもやらないのです。

特に低学年の子どもにとっては、教師は模範となる存在です。教師自身が元気な声で挨拶をすることで、子どもたちは自然と挨拶の習慣を身につけることができます。

決まった場面で挨拶をする

朝登校したとき、教室に入る前、休み時間の前後など、決まった場面で挨拶をするようにしましょう。繰り返し行うことで、子どもたちは自然と挨拶が習慣化していくようになります。

ゲームを取り入れて楽しみながら習慣化する

「あいさつの花」など、ゲームを取り入れることで、子どもたちは楽しみながら挨拶の習慣を身につけることができます。シールを貼ったり、ポイントを貯めたりすることで、達成感を感じ、意欲的に取り組むことができます。

挨拶ゲームの例

私の実践例をひとつ紹介します。

3年生を担任したときの例です。中学年の子は特にゲームなどで競うことを好みます。私はその小学校に赴任してすぐ、先生方自身が挨拶しない人が多いことに気づきました。そこで、子どもたちに「あいさつ競争」を提案しました。すなわち、「先生とすれ違う時に先生よりも先にあいさつしたら勝ち!」と。すると、子どもたちは次々と「きょうは○○先生に勝ったよ!」「今日は〇回勝った!」と報告に来ました。

具体的な褒め言葉でモチベーションを高める

「○○さんの挨拶は目を見てくれて、とても気持ちがいいね」など、具体的なポイントを褒めることで、子どもたちは自信を持ち、さらに挨拶をしようという意欲を高めることができます。

ゲームで身に着けさせるのはあまり感心しないという方もいるでしょうが、まずは形から入るのが小学校までの段階と思います。形式的に実践しているうちに挨拶の精神面での価値にも気づいていくのです。

挨拶の道徳的価値に気づかせよう

その意味で、特に小学校高学年以上では道徳的な価値に気づかせるような褒め方が重要になります。

A校長は、自らこれを実践しました。毎回の全校朝会で子どもの名前と挨拶場面を取り上げて褒めました。そして、毎月「挨拶名人」を認定し、認定証を授与していました。こうなると、その子は否が応でも挨拶をやめられなくなりました。A校長の本気度がお分かりになるでしょう?

立哨指導における挨拶

最近、新聞の投稿欄にある朝の交通安全立哨指導をしている方の記事がありました。挨拶できない子が多いのでしっかり指導してくれと言う内容でした。

しかし、嘆き誰かに訴えるところで終わってはならないのです。ほとんどの大人がそのように感じているのですから、問題意識を持った人自身が工夫を重ねて努力していくしかないのです。

以下に、私が長年立哨指導をして感じたことを挙げますので参考にしてください。

・立哨指導の第一目的は、安全第一である。ならば、小学生に安全(=自分の身を守る)以外のことを要求することには無理があるし、危険である。

・それでも、意識の高い子は指導されたとおりに安全確認以外に下級生の心配や立哨指導の大人への挨拶、横断歩道で停止してくれた運転手へのお辞儀などしてくれることがある。しかし、それは望外のことであり、その時こそほめるのは当然だが、現場で安全面以外のことで指導するのはかえって危険である。

・子どもは大人をよく見ている。ある大人にはブスッとして通り過ぎても、別の大人には元気よく挨拶していたりする。なぜそうなのか、嘆いてばかりいないで大人は反省すべきである。

まとめ

挨拶は、相手の承認欲求を満たす言葉です。子どもが「見て、見て!」と何度もアピールするのは、大人にほめてもらいたい、認めてもらいたいという気持ちからでしょう。挨拶は、「あなたの存在を認めているよ」というメッセージでもあります。例えば「おはようございます!」と声かけられると、不特定多数を相手にしてると思い反応しない子がいます。なので、「○○さん、おはよう!」と呼びかけると効果的です。

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